メンターインタビュー:つばめさん

悩みごとやモヤモヤすること、不安に思うことをインターネットで気軽に相談ができる「TOKYOメンターカフェ」。仕事や子育てなどを経験してきた方が、都民メンター(助言者)となって多様な悩みに寄り添い、悩みを抱えて次の一歩を踏み出せずにいる女性を支援します。

今回は、都民メンターの1人である、つばめさん(50代)に、ご自身が経験してきた悩みやメンターとしての活動を振り返っていただきました。

なぜメンターになられたのでしょうか?これまでメンターとして活動してきた感想とあわせて教えてください。

義母が介護施設で生活することになり、最近になって自分の生活に多少の時間的な余裕が生まれたことや、キャリアチェンジのために社会福祉士の資格を取得したことがきっかけです。どのようなことに悩んでいる方が多いのか、そして、私自身はどう寄り添っていけばいいのかを学びたいと思い、メンターに応募しました。

メンターとして活動して数カ月が経ちますが、いろいろな年代の方がさまざまなことで悩んでいるのだなと知りました。ご自身のこと、ご家庭のこと、お仕事のこと。比較的気軽な相談から、ここに至るまで相当な勇気が必要だっただろうなと思われる相談まで、実に幅広いです。

10年にわたる義母の介護。「悩みに共感してくれる人がいなかった」

つばめさんがこれまで悩んでこられたことを教えてください。

サービス業の仕事をしながら3人の子どもの子育てをし、さらに40代から50代前半にかけてのおよそ10年間は義母の介護もしてきました。それらの両立には本当に苦労をしました。

義母に認知症や徘徊(ひとり歩き)の症状が出るようになって、仕事をしている間もいつも心配で不安な日々を過ごしていました。

一番つらかったのは、悩みに共感してくれる人が周りにいなかったことです。夫は介護保険制度の手続きなどには協力的ではありましたが、出張で家にいないことも多かったですし、子供たちも自分のことで精いっぱいなので、義母の介護は私が中心で担っていました。

近しい友人たちは、外ではしっかり者の義母をみて「全然大丈夫じゃない」「心配いらないね」などと言うんです。周囲の人が見ているのは義母の生活の一部なのに。本当はもっと苦労していることを分かってもらえなかったことがとてもつらかったです。

職場でも、一緒に働く同僚は比較的若い世代が多かったので、介護の悩みを打ち明けても共感してもらえるような環境ではありませんでした。当時の職場は平日のみならず、土日も仕事があり、時間の融通を利いてもらったこともありますが、「同僚にどう思われているのかな?よく思われていないかな?」などと、もやもやした気持ちもどこかありました。

義母の介護についてはショートステイなどいろいろ考えましたが、ケアマネジャーのアドバイスもあり最終的には義母を介護施設に預ける決断をしました。住み慣れた家から離すことへの“後悔”がないわけではありません。コロナ禍でまともに面会もできない状況で心苦しいとも感じていますが、介護に追われていた時期と比べると、今は少し心の余裕が生まれたと思っています。

「不安な気持ちに寄り添って」

ご自身の経験をどうメンターとして生かしていきたいと思いますか?

私がメンターとして気をつけていることは「私にできたから大丈夫よ」と絶対に言わないことです。「それはいつか終わるから」や「将来、役に立つ」といったことも言いません。相談者のみなさんは、今がつらいわけですから。

きっと相談者のみなさんは、物事の解決を求めているのではなく、ただ不安な気持ちに寄り添い、共感してくれる言葉を求めていると思います。そのために、とにかく寄り添うことを心がけたいと思います。否定はせず、少しでも励ましになれるような言葉を選んで、発信をしていきたいです。

さまざまな苦労を乗り越えてきた都民メンターに、あなたの悩みを打ち明けてみませんか?