メンターインタビュー:ニコハナさん

悩みごとやモヤモヤすること、不安に思うことをインターネットで気軽に相談ができる「TOKYOメンターカフェ」。仕事や子育てなどを経験してきた方が、都民メンター(助言者)となって多様な悩みに寄り添い、悩みを抱えて次の一歩を踏み出せずにいる女性を支援します。

今回は、都民メンターの1人である、ニコハナさん(40代)に、ご自身が経験してきた悩みや目指しているメンター像について語っていただきました。

なぜメンターになられたのでしょうか?

学生時代に障害者施設でギター演奏を披露した経験があって、もともと何かのボランティアをしたいという思いがありました。ただ、子育てや仕事が忙しく、なかなか思うようにボランティアをする時間を確保することができませんでした。子どもたちが中学生・高校生になり、ある程度手を離れたタイミングで、メンター募集のメールを見つけました。

私自身、いろいろな人に相談しながら育児をしてきましたし、仕事もさまざまな工夫をして壁を乗り越えてきて、今があります。何か人の役に立てるのならと思い、メンターに応募をしました。

年の離れた同僚が多い職場。人間関係に悩んで…

ニコハナさんがこれまで悩んでこられたことを教えてください。

私は中学2年生と高校2年生の娘を育てながら、医療系の公務員として働いているのですが、子育てと仕事の両立に関しては、ずっと悩んできました。

例えば、子どもが体調を崩したとき。子どものためにずっと家にいた方がいいと思っても、平日は仕事が忙しいため、つきっきりで子どもの面倒をみることは難しく、時間単位での休みをとって面倒をみることも。

「私が専業主婦だったら、もう少しいろいろ子どもに手をかけてあげられたのかな」と葛藤していたのですが、今は、子どもたちに自分が働く姿を見せられることも何かのプラスになるかもしれないと思うことにしています。

忙しい中でもできるだけ子どもとのコミュニケーションの時間を確保するように努めている一方、子どもと向き合いすぎると、親も子どもも煮詰まってしまうかなと感じることもあります。子どもも中学生と高校生で自立し始めていますから、「ここは少し手を抜いてもいい」「ここはもう少し寄り添おう」など工夫しながら、うまく子離れ・親離れができたらなと思っています。

知り合ったママさんたちとのつながりも支えになっています。ときどき連絡をとって、食事をしたり、悩みや愚痴をおしゃべりしたりしています。同世代の子どもを持つ親同士、子育ての悩みのほか、年を重ねるごとに感じる体の変化の話もできる関係性なんです。

仕事面の悩みというと、自分の親ぐらいの年齢の女性が多い職場で、なかなか人間関係に苦労しました。仕事そのものも「見て覚えろ」という時代だったのでマニュアルなどはありませんし、職場にはいくつかの派閥のような“グループ”があって、互いに「あの人たちはこういう風に言っているに違いない」と噂話や悪口を言いあうような、ギスギスした環境でした。

ただ、仕事は専門的ですし、就職難のときに就職した私には、転職という考えはありませんでした。業務のやり方で「時代にそぐわないな」と感じたところは、会議で「研修で習ったのですが…」と根拠を示しながらの改善策を提案したり、職場の派閥争いには参加せず、オープンな付き合い方をしたり。居心地をよくするために、自らできることを積み重ねてきました。

結果、職場環境も徐々に改善されていき、今も仕事を続けています。今私は部下を持つ立場になりました。組織運営は本当に難しいなと日々感じているところですが、自分が苦労したり、嫌だなと思ったりしたことを部下に押し付けないように心がけています。

もやもやを吐き出して、明日への活力へ

メンターとしてどんな活動をしていきたいと思いますか?

メンターカフェに投稿される投稿を見ていると、皆さん、とても頑張り屋さんな方が多いなと感じます。皆さんの心が限界を迎える前に、モヤモヤしていることを吐き出して、「明日からもまた頑張ろう」と思ってもらえたら、素敵ですよね。私も自分自身の経験を踏まえて、何かお伝えすることができたらいいなと思っています。